悪魔の熱情リブレット

「ようは悪魔本体じゃなくて気だけ飛んできたってことか」

アンドラスはヴォラクがテーブルの上に置いていった林檎を手に取り、握り潰した。

「くそ!もう少しでティアナは他の悪魔に取りつかれるところだった!」

握り潰した林檎の汁が指に伝う。

「イラツク…!!」

アンドラスは怒りでテーブルを勢い良くひっくり返した。

大きな音を立てて床に食材が投げ出される。

「主よ、落ち着いて下さい」

「落ち着いていられるか!ティアナが悪魔つき!?ティアナは僕の玩具だよ!?他の悪魔に遊ばれるなんて冗談じゃない!!」


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