悪魔の熱情リブレット

「あなた!あの子をどうするの!?殺すの!?私達の子よ!?」

けれど夫は何も答えなかった。

代わりに、彼女の右腕を掴んでいる男が代弁するかのように言った。

「悪く思うなよ、奥さん。俺達だって死にたかねーんだ。あんたの子一人でみんな助かるんなら安いもんだろ?」


一瞬、彼女は何を言われたのかわからなかった。

それ程に男の考えは歪んでおり、醜悪だった。


「みんな、そう思っているの…?安いもの?何よ、それ!?あんた達、人の命をなんだと思ってるの!?あの子に手を出してみなさい!殺してやるわ!!あんた達全員、私が殺してやる!!」


噛み付く勢いで暴れる少女の母を男達が背もたれのある木の椅子に縛り付けていると、丁度二階から他の男達が袋を抱えて降りてきた。


 
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