悪魔の熱情リブレット
「ティアナ?」
「アンドラス、ごめんなさい」
唐突な謝罪に言葉を失うアンドラス。
「アンドラスは恐いものから私のこと守ってくれたのに、私は…『私も殺す?』なんて…最低なこと聞いた…」
涙ぐむティアナは自分の思いを最後までしっかり伝えた。
「でも!やっぱり殺しちゃダメなの!私はアンドラスにそんなことしてほしくないの!」
少女の思いが言葉となりアンドラスの脳内に響く。
彼はしばらくぼんやりとティアナを見つめていたが、突如彼女に近寄った。
アンドラスの次の行動が読めず緊張するティアナ。
彼は少女の顔に手を伸ばす。
そして――。
「ば―か」
彼はティアナのおでこを指で軽く弾いた。
「うひゃ!」
びっくりして目をぱちぱちさせる。
「何謝ってんの?イジメがいないな~」
アンドラスはそのままティアナのおでこをつつきながら笑った。
「だいたい、守るって何?僕がティアナを生かしたいから邪魔な奴を排除してるだけ。君、僕に飼われてるっていう自覚ある?」
ティアナは素直に首を横に振った。
「あっそう…。ないのか。なら、わからせるために首輪でもつけてあげようか?」