悪魔の熱情リブレット
「バシン、お前は最高の側近だ」
彼の笑った理由が理解できずしかめっつらをするバシン。
「あー、じゃあ俺様はそろそろ戻るんでまた今度」
「待て」
そそくさと退場しようとしたバシンの蛇の尻尾を掴む。
「何ですかい!」
「バシン、お前に持って来てもらいたいものがある」
「俺様忙しいんでそういった雑用は他の部下に頼んだらどうでしょうかね~」
漆黒の悪魔は思い切りバシンの尻尾を踏み付けた。
「うわお!尻尾は勘弁!」
「ならばさっさと命令に従うんだな」
バシンは地獄の底よりも深くて長い溜息をついた。
「で?何を持ってくればいいんでしょうか?」
漆黒の悪魔は尻尾から足を退かしてバシンに「あれ」の名を告げた。