悪魔の熱情リブレット
アンドラスもマルコシアスを気に入っているため、互いに殺しあう気は一切ない。
でなければ、何年も決着がつかないなど有り得ない。
彼らは純粋に戦闘を楽しんでいるのだ。
「だから、今回はここまでにする」
マルコシアスはティアナに近づき彼女の白い頬を舐めた。
「この子がいては貴様が俺とのじゃれあいに集中できないからな」
「全く…いつもいきなり来ておっぱじめるくせに自分の都合でさっさと帰るよね」
マルコシアスは意地の悪い笑みを浮かべながらアンドラスの発言を認めた。
「しかし、すごいな。この子のおかげで俺達の最速記録が三日になったぞ」
これにはシルヴェスターも驚いた。
「それに人間の少女に動揺させられる貴様も見れて、なかなか楽しめた」
「うるさいよ」
初めてティアナに「馬鹿」と言われて意外と深く傷ついたアンドラス。
立ち直りはしたもののダメージは大きかった。
(良い子のティアナが「馬鹿」って…。あれかい?人間の子供によく見られる「反抗期」ってやつなのか?)
シルヴェスターと同じ疑問に行き着いたアンドラスだった。