悪魔の熱情リブレット
「ティアナ、悪い子だね。お仕置き必要?」
この「悪い子」という言葉に彼女は理不尽を感じた。
「何で!?ちょっと町の外に出るだけで何で悪い子になるの!?私ここから出たことないから行ってみたいだけなのに、どうしてダメなの!?」
悲鳴のような少女の訴えを悪魔は鼻で笑った。
「そんなの、人間がいるからに決まってるでしょ」
アンドラスの答えに瞠目する。
「にん、げん…?」
「そう。ティアナが外に出たらどうしたって人間と会っちゃうでしょ?そしたら泣くはめになるのは君だよ?」
意味がわからず首を傾げるティアナに彼は囁いた。
「いいかい?ティアナ。君は僕達と仲良くなりすぎたんだよ。悪魔に育てられた君が突然人間の世界に行ったら絶対どこかで摩擦が生じるさ。だから…」
――いい子でここにいるんだよ?