キミがいればいい
捺希は春隆の尻を思いっ切り蹴った。

「いっつ…」

春隆は自分の尻をおさえて顔をしかめる。
琴見は状況が読めなかった。
もしかしたら、捺希は春隆の彼女かもしれないと思い不安になった。

すると、捺希は何かに気づいたかのように、琴見と春隆を交互に見た。

「何だよ」

おそる、おそるといったように春隆が捺希に聞く。

「春隆。ちょっと琴見を預かります」

と言うと、琴見と花温の手をひっばり、走って生徒昇降口に向かった。
3人はかたまると、声を殺して捺希が聞いた。
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