キミがいればいい
「まじ、ごめん。ちょっと急に用ができて」

「わかった。…気をつけてね」

「ああ。じゃあ」

春隆は荷物を手に取り、正門へと走って行ったのだった。




「話ってなんだよ」

春隆はジャージのポケットに手を突っ込み、少しキレ気味て父に問うた。

「まぁ、そこに座れ」

「立ったままでいいよ。話って何?」

「一つ、お前に聞きたい、
お前は、もう一切書道をする気はないのか?」

「あぁ」

春隆は迷わずそう答えた。

「本当にする気はないのか」

「ないっつってるだろ」

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