キミがいればいい
隣と席が離れていて少し安心した。
隣が男子なので、
すこし嫌だったのだ。
隣の子はまだ来ていない。

琴見は、
ほおづえをついた。

クラスはザワザワしている。


「ごめん!それ取って」

右隣から低い声がした。
ほおづえをはずし、横を見る。
さっきまで席にいなかった男子がいつの間にか座っていて、
こちらに手を差し伸べていた。
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