俺が女を好きになるわけなんてないッ!?
悪魔たち…
家のドアを開けると…
「星羚ぇ~、遅かったわねぇ~」
悪魔の声がする
「…ただいま」
悪魔とは…
俺の姉ちゃんたちのこと。
4人も存在する。
悪魔1こと長女、歩亜(ふあ)、23歳、悪魔2こと二女、明歩(みある)、21歳、悪魔3こと三女、奈由多(なゆた)、20歳、悪魔4こと四女、緋柚莉(ひゆり)、19歳。
俺の友達はみんな口をそろえて言う…
「羨ましい!」だの「紹介して!」だの…
そう言うやつは悪魔たちのことを何も知らない。
悪魔だと言うことを知っているのは…海翔、ただ1人だけだ。
とにかく、4人ともルックスがいいらしい。
それに、表面上はいい人…
裏表の差がとにかく、激しい。
こんな感じに…
機嫌がいい時は全然悪魔じゃない。
でも、大体不機嫌…
だから、機嫌がいい時は気持ち悪い… そんな感じ…
家に帰ると、扱き使われる。
休む間もないくらいに…
返事をしないでいると…悪魔1がやってきた。
「げぇっ!」
言ってしまった…
「星羚くぅ~ん……何が“げぇっ”なのかなぁ~?」
ヤバッ!怒らせちまった
般若面みたいな顔をした悪魔1が近づいてくる
「まぁ、いいや。」
そう言って悪魔1は消えてしまった。
ふぅ~
いつもなら叩かれているところだ
悪魔たちのせいで俺の脳細胞は大分死んでいる
ガチャ
『たっだいま~』
息つく間もなく、悪魔2・3・4が帰って来た。
「星羚、おなかすいた~」
いつものことだ。
俺は家政婦かッ!
そんな事を思いながら、部屋に入り、着替える。
そして、洗濯物をとりこんだり…夜ごはんを作ったり…そして、姉ちゃんたちの「あれとって」、「これ買ってきて」の我がままに付き合わされる…
俺の疲労は完全にピークをこえている。
それを知ってか知らずか酒を飲むと人使いが余計に荒くなる…
だから、最近俺は姉ちゃんたちが酒を飲む前に風呂へ逃げる。
風呂から出ると姉ちゃんたちは寝ている。
『星羚ぇ~』
ビクッ!
なんだ寝言か
姉ちゃんたちの夢の中でまで、俺は扱き使われているのか…
これが悪魔たちの正体ッ
そして、俺の姉たち…