神様がくれた夏
苦しくて苦しくて。
もがくあたしにやっと気づいたのか、彼は唇を解放してくれた。
「…はっ…っ」
同時に肺いっぱいに酸素を取り込む。
キスが下手なあたしは鼻で呼吸をすることができないため、毎回死ぬほど苦しい思いをするはめになる。
彼の腕はあたしの体にまきついたまま。
いつの間にか、あたしの腕も彼の首にまきついていた。
荒い息遣い。
彼は怪しげに、ペロリと自分の唇を舐めた。
それはあまりにも突然だった。
ぐるりと。
思考が働く前に視界が回った。