神様がくれた夏
茶封筒の中身。
それはきっと大学の資料。
「………、」
渡された茶封筒に視線を落とす。
こんなときが一番憂鬱だと思う。
気分もろもろ吐き気を覚えるほど最悪だ。
あたしの成績は上位にくい込むほどだ。
学年で5本指に入る、とまでは言えないけれど、こうして先生はあたしに有名な大学を薦めてくる。
あたしは先生に好かれているのかもしれない。
だからこうして先生オススメの大学を勧めてくる。
けれどそんなことはどうでもいいのだ。
あたしはそのために勉学に励んでいるわけではない。
気づかれないように小さくため息を吐き出した。
早く帰ろうと先生に別れの言葉を言おうとしたときだった。