神様がくれた夏




――――ガラリ




と。



職員室のドアが少し乱暴に開いた。


たったそれだけのことなのになぜだろう。



職員室中が静まり返った。


さっきまで満ちていた空気とは180度打って変わった空気に、あたしはハッとした。



あ…。



思わず言葉が漏れそうになり、慌てて堪えた。


こんな静まり返った中で声なんて出したら目立ってしまう。



あたしは無意識に自分の手で口を覆っていたことに気づいた。



全身が言う。


下手に関わってはいけないと。



すると先生は立ち上がり入ってきた人物を手招きした。


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