神様がくれた夏




思わず呼吸が止まりかけた。


それくらい驚いてしまったのだ。



ほのかとも少し話したけれど、あたしは夏目涼のことはほとんど知らない。



だから勝手な想像になってしまうけれど、少なくとも夏目涼は誰かに頼みごとをするような人だと思わなかった。



だからだ。



あたしは目を見開いたまま停止してしまったのだ。




「な? 夏目もこの通りだし、頼むよ」




先生は再度あたしにそう言ってきた。


夏目涼はあたしを見続けている。



あぁ…もうどうしようもないじゃないか。



断るタイミングを間違ったはずはないのに、気づけばオーケーとしか言えない状況になっていた。



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