神様がくれた夏



わーわーはしゃぎながらやればまだ楽しくなるのかもしれないけれど、あたしと夏目涼には会話が1つもない。



むしろ喋るどころか、職員室で頼まれたとき以来夏目涼はあたしと顔を合わせようとしない。


一向に視線すら合わせようともしない。



どこからどう見たって完璧に幽霊扱いされていること間違いない。


彼の中であたしの存在は蟻ん子以下かもしれないとまで思ってしまうほど、あたしは彼に認識されていないと感じている。




なんなの、まったく…。



会話が1つもないというのはつまらない。


そして少し寂しい。



こうやって会話をする気が1パーセントもないのなら、あたしに頼まないでよと思ってしまった。



つまらない。


つまらないつまらないつまらない。



「はぁ…」



憂鬱だ。


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