神様がくれた夏
「な…?」
何が当たったのだろうかと振り返れば、缶ジュースを手にした夏目涼が真後ろに立っていた。
「…ん」
ぐいっと缶を突き出してくる。
突然のことに驚いたあたしは慌ててそれを受け取った。
「あ…ありがとう…」
そうお礼を言えば夏目涼は何も言わずに歩き出し、あたしと少し距離をとった場所に腰掛けた。
あたしは受け取った缶をジッと見つめる。
すると横からプシュっと缶を開けた音が聞こえてきた。
その音を耳にし、チラリと夏目涼を盗み見る。
グビグビと飲み干していく姿を目にし、プルトップに指を当てた。