神様がくれた夏




「な…?」



何が当たったのだろうかと振り返れば、缶ジュースを手にした夏目涼が真後ろに立っていた。



「…ん」



ぐいっと缶を突き出してくる。


突然のことに驚いたあたしは慌ててそれを受け取った。




「あ…ありがとう…」




そうお礼を言えば夏目涼は何も言わずに歩き出し、あたしと少し距離をとった場所に腰掛けた。



あたしは受け取った缶をジッと見つめる。



すると横からプシュっと缶を開けた音が聞こえてきた。


その音を耳にし、チラリと夏目涼を盗み見る。



グビグビと飲み干していく姿を目にし、プルトップに指を当てた。



< 123 / 468 >

この作品をシェア

pagetop