神様がくれた夏
あたしはじーっと夏目涼を見つめる。
けれどもう彼はあたしを見ていなかった。
「………」
口は開かない。
一向に開く気配がない。
開こうという気すらないのだと思った瞬間に諦めた。
こりゃ完全に完璧に黙認だ。
無理だと悟ったあたしが折れた。
「……まぁ…あたしには関係ないけどね」
なんて言ってみたけれど、本当は内心では関係あるんじゃないかと思っていたりする。
だってこうして現に巻き込まれているのだから。