神様がくれた夏
すると突然後ろから声がした。
「何でお前はアイツと付き合ってんの?」
考えもしなかった質問が唐突に投げかけられた。
突然の質問に驚いたあたしから間抜けな声が飛び出した。
「………は?」
あたしは思わず振り向いて、夏目涼を見つめたまま固まってしまう。
アイツ―――先輩のことだよね…?
夏目涼はあたしを見ている。
あの―――無機質で何も語らない瞳で。
あたしはそんな彼を、一体どんな瞳で見つめているのだろうか。
「なんで…って…言われても…」
「理由はなしか」
理由。
先輩と付き合っている理由。