神様がくれた夏



「………」



何なの何なの何なの。



気になることは山ほどある。


けれどそんなことは先輩にも夏目涼にも聞けないだろう。



あたしは水道で足裏に付いた砂を洗い流すとタオルで拭いては靴下を履いた。



夏目涼の横顔をそっと見つめる。


何を考えているのか、思っているのか分からないその横顔。



何となく声をかけたくなって、気づけば、




「…ねぇ、夏目涼」




彼に声をかけていた。



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