神様がくれた夏
危険だ。
そう思っているのに、体は使い物にならない。
詰め寄ってくる彼に、あたしは逃げ出すことができないまま固まるしかなかった。
…怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
体の震えが一際激しくなる。
反射的にぎゅっと目を閉じるけれど、恐怖は去ってくれない。
しかし彼はいつまでたっても触れてこない。
それを疑問に思ったあたしはゆっくりと目を開けた。
寄ってきていると思った彼はタバコを咥えていた。
薄暗い部屋に小さな炎が1つ。
あたしは怯えながらそれをじっと見つめていた。