神様がくれた夏




「おい」




突然背後から声がした。


それは最近聞き始めた声だ。



何にも興味がないと言いたそうな、そんなやる気のない声・




その声であたしはやっと解放される。


慌てて深く酸素を取り込んではその声の主へとゆっくり視線を上げる。



するとそこには夏目涼がいた。




「っ!!」




どうして、なんて言葉は荒い呼吸を繰り返すあたしから出なかった。



「…何だよお前」



あたしの言葉代わりというべきか、先輩が低い声で唸るようにそう聞いた。


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