神様がくれた夏
けれどすぐに視線を逸らし、あたしたちと間逆の方向に歩き出していった。
その背中を見つめる。
すると先輩はボソリと、
「相変わらずウゼぇな…」
そう独り言を呟いたのをあたしは聞き逃さない。
相変わらずってなに…?
この2人の関係は何なの…?
あたしは鞄をぎゅっと抱きしめるように身に寄せた。
夏目涼…あんたは謎だ。
先輩は大きく舌打ちをすると無言のまま歩き出す。
あたしは慌ててその背中を追いかけた。