神様がくれた夏
「………ぬ?」
机の上に置いてある小さな置き鏡を覗きながら、あたしは気づいてしまったことがある。
「ひぃぃィ…っ!!」
それに気づいてしまった瞬間、あたしは奇声を発すると共に慌ててパタリと鏡を閉じた。
そんな周りから見たら意味深な行動をしているあたしを見たほのかは、
「…いきなりどうしたの?」
変なものでも見るかのような瞳であたしを見つめては言った。
一方あたしは今にもボロボロ涙を流しそうな勢いでほのかに詰め寄っては叫び声を上げた。
「焼けちゃったよっ!!」
どうしよう、と訴えてみるが、ほのかにはどうにもできないことは分かっている。
もちろんほのかは慌てふためくあたしを見て鼻で笑うだけだった。