神様がくれた夏




発する言葉が見つからないあたしは唸り声を上げるしかないのだった。



面白い反応を待っていたのに思いのほかつまらなかったのか、ほのかはため息を1つ吐くとやれやれと言葉を続けた。



「プール掃除あと少しなんでしょ?」



「……うん」



「焼けちゃったもんはしょうがないと思うしかないじゃん?」



「……うん」



そんなことは分かっている。



「プール掃除が終わって炎天下の中外に出ることが少なくなれば戻るって」



「…………」



最後は頷けなかった。


確かな確信がないからだ。



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