神様がくれた夏



すると突然、ほのかの指がピクリと震えた。


その感覚を受け取ったあたしは、どうしたものかと顔を上げてほのかを見た。



「ほのか?」



ほのかはあたしを見ていなかった。


どこか遠くを見ている。



あたしはほのかが見ている先―――視線を追う。




「え」



思わず声がもれたのはあたし。


意識せずして口から言葉が漏れた。



あたしは驚いて目を見開くと、ほのかも同様にただ目を見開いた。



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