神様がくれた夏
急に笑い出した先輩の意図が掴めないあたしは、何が始まるのかと恐怖でいっぱい。
ダラダラと嫌な汗が流れ出るのが分かるほどだ。
膝の上で、きゅっと拳を作った。
体は震えたまま。
叫ぶことも逃げ出すこともできないでいた。
彼はタバコを咥えたまま、ゆっくりとあたしの方を見る。
その瞳は見たことのない、とても冷たいものへと変わっていた。
「せ…先輩…?」
何だかすごく不安で恐ろしくなったあたしは、震える声で必死に彼の名前を呼んだ。
見たことのない彼の姿。
不気味な笑みに、あたしは身震いした。
これは誰?
あたしの知っている先輩じゃない。