神様がくれた夏
今現在、夏目涼という人物はあたしの中で急激な変化を遂げている。
出会った頃はただ単純に〝恐ろしい〟〝関わりたくない〟という一切彼を受け付けない思いばかりだった。
しかし今は打って変わって、プール掃除の手伝いとして彼と関わるようになってから、なんだか噂で聞いたいたほど恐ろしい人じゃないんじゃないかと思い始めた。
だって実際そうだろう?
何を考えているのかは分からないが――意味があるのかないのかあたしには分からない――こうしてジュースを届けに来るのだ。
ぶっきらぼうで一匹狼だと言うのは事実だと思うが、何だか彼からは時たまホッコリとした気持ちにさせられる時がある。
だからこその疑問。
あたしをプール掃除に巻き込んでしまったことを、少しでも申し訳ないという気持ちになっての貢物なのだろうか。