神様がくれた夏
「本当…謎だよなぁ…」
窓から空を見上げて思わずボソリと呟いたあたしの言葉に、ほのかは同じく空を見上げながら聞いてきた。
「何が? 何かいた?」
「ううん、違う」
ほのかはふぅと息を吐き出しながらため息を溢すあたしを見つめ、閃いたように手を打つ。
「あぁ、夏目涼?」
「…まあね」
するとなにやら急にほのかはにやりと怪しげな笑みを顔に貼り付けたまま、あたしをじっと見つめてきた。
あたしはそんなほのかに顔を引きつらせながら問う。
「な、何?」