神様がくれた夏
Chapter 3
彼とあたしと
室内でも熱射病になると聞いたことがあるが、それは本当なのかもしれない。
今現在のあたしのこの状況がそれなのかどうなのかは分からないが、それに似たような状況であることは確かだった。
保健室へ行くかどうか迷った。
保健室に行きたくないわけではなく、その前に自販機へ行こうか迷ったのだ。
夏目涼からジュースを貰ったけれど、今はスポーツ飲料がすごく飲みたい気分。
やっぱり熱射病なのだろうか?
熱射病とかだったらやばいのかなぁ、なんて思いつつ、若干ふらつく足取りで一階の渡り廊下脇にある自販機へと向かっている。
けれどそこであたしは思い出す。
財布は鞄の中だった、ということに。
ポッケを漁るが生憎あたしは小銭をポッケに入れる習慣が全くないため、もちろん10円すらない。