神様がくれた夏
少し歩いて着いた場所。
誰にも見つからなさそうな体育館の裏側は日陰になっていて、絶好のサボり場と言える。
体育館の裏側に来たことがなかったあたしは、一気に涼しくなったこの場所に感動してしまった。
すごい涼しい。
そして時たま吹く風が心地良い。
「平気なのか?」
平然と後ろをついて来たあたしを心配してくれたのだろうか。
段差に腰を下ろしてはあたしを見上げてそう言った。
視線を上げたその瞳に、一瞬胸が高鳴る。
何だか分からない、ドキドキしてきた鼓動を抑えるようにペットボトルを握り締めた。