神様がくれた夏



あたしはどうしようかと迷った。


けれど付いて来てしまったからには今更戻るわけにはいかないような気になってしまう。



迷いに迷った、悩みに悩んだあたしはそれを目にした。


夏目涼の隣が明らかあたしが座る分ほど空いているのだ。




「………」




わざと?



分からないのだ。


どれくらいなら彼に近寄ってもいいのか。



自分以外の人間を一切近づけようとしていない夏目涼に、あたしは一体どのくらいまでなら近づいていいのだろうか。



分からない。


だって彼は何の反応も示してくれないのだ。


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