神様がくれた夏
夏目涼にはいろいろしてもらっている気がして申し訳なくなる。
よくよく考えるとプール掃除とは比べようがないくらいしてもらっている気がするのだ。
そこでふわりと風が吹く。
横目でこっそり彼を覗き見れば、風と共に明るい髪も揺れていた。
やっぱりふと思ってしまったのだ。
触れてみたい、と。
特別な理由なんてない。
ただ単純にそう思っただけ。
歩いているときではやめた方がいいと思っていた気持ちが強かったけれど、今は打って変わって別にいいんじゃないかと思う気持ちが強い。
風と共に揺れる髪に少し触れるだけ。
触れてみたいだけ。
ただの興味。