神様がくれた夏



おかしいな。


ドキドキする理由なんて何もないのに。



おかしい。


あたしどうした?



「…そ」



あたしが触れたことに対して、やっぱり興味がないらしい。


髪に付いた葉を気にすることなくあたしの手を離しては再び目を閉じてしまった。




「………」



気になるものはどうしても気になるもんだ。


否定も何もしなかったから取ってもいいのだろうか。




迷ったが結局手を伸ばした。




ふっと触れる。


夏目涼の髪は見た目通りサラサラだった。



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