神様がくれた夏
そこで再び彼は目を開けた。
「…!」
本当心臓に悪い。
寝るのか起きるのかどちらかにしてほしい。
「それ」
「な、何っ?」
「くれ」
あたしの持っているペットボトルを指差す。
あたしは彼の言葉に何も考えずにペットボトルを渡した。
夏目涼はペットボトルを受け取ると、気だるそうに起き上がった。
やっぱりどこまでもダルそうな人だ。
キャップを開けることすらも面倒そうで、流し込むようにスポーツ飲料を飲んでは再びあたしに返した。