神様がくれた夏
「んー、相変わらず食堂はいい匂いだなぁ」
「まぁ料理が並ぶ部屋ですしね?」
「当たり前のことを当たり前で返さないでもらえるかな?」
あたしとほのかは喋りながら、食堂に設置されている自販機へと向かう。
踏み出す。
そこで会ってしまった。
「水涼」
名前を呼ぶ声。
はっと顔を上げるとそこには先輩がいた。
傍らには友達らしき人がいて、その人と食事をしに来たんだろうと予想できた。
気づいてしまった。
呼ばれてしまった。