神様がくれた夏
今この状況で夏目涼と先輩を比べる必要性が全くないのに、関係ないのにどうして比べてしまったんだろう。
最終的には先輩の髪はハードなワックスで盛られているから、夏目涼のようにサラサラじゃない、とまで思ってしまった。
関係ないのにね?
「水涼?」
ボーっとしているあたしの顔をほのかは覗き込んだ。
あたしはハッとして意識を戻しては、変な心配をさせまいとにこりと微笑んだ。
「ん?」
「なんか…平気?」
分からなかった。
ほのかが言った「平気?」とは何に対しての平気なんだろうかと考えた。
けれどすぐに分かった〝平気?〟の意味。