神様がくれた夏




けれどやっぱりこうしてバッタリ会うと、心のどこかでは喜んでいるあたしがいる。



恐怖と幸福。


それはプラスとマイナスに似ている。



ゴチャゴチャでグチャグチャな心が混ざり合ってはあたしを苦しめる。




あんな見たこともなかった冷たい瞳を向けられてもなお、あたしは先輩のことが――――…





「みーすずってばっ!」




その声にはっと目を見開いては、自分の状況を確認した。


瞬間に手から箸が落ちては乾いた音をたてる。




「あ……わわっ」



ほのかが見事にナイスキャッチしてくれたおかげで箸は無事。


ホッと一息を吐いた。




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