神様がくれた夏



言えない。




「うん…ありがと」




俯いたままあたしもほのか同様呟いて、定食の肉野菜炒めを箸で突いた。



目を瞑ると見える世界はあるだろうか。


あたしの世界は現在進行形で真っ暗だ。



分からないんだ。


自分自身が今、どうしたいのか―――…







「―――だからして…」




教師の言葉が何1つ入ってこない。


聞く耳を持たないと聞こえてこないのはどうやら本当らしい。




相変わらずの晴れ模様。



教室内はクーラーがついているから涼しいが、外に出たら室内とのギャップもあって更に暑さを感じるのだろうなぁと考えると、ずっとここにいたいと思ってしまう。



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