神様がくれた夏
早く冬になればいいのにと思うけれど、どうせ冬になったら早く夏になればいいのにと思うのだからどうしようもない。
夏は夏なのだ。
「はぁ…」
教師に気づかれない程度に小さくため息を吐いては机に突っ伏した。
どうしてこんなにも気分が沈んでいるのだろう。
なんて考え、まさかと考える。
夏目涼が言ってきたわけではないから分からないが、そろそろプール掃除が終わるだろうと思われる。
下手すると今日かもしれない。
嫌々始めたプール掃除。
悪い噂しかない夏目涼と、と言うことで最悪だとばかり思っていたけれど、気づいたらどこか楽しみにしているあたしがいたのだ。