神様がくれた夏
終わってしまう。
あたしの自由が。
あたしの夏が―――…
「おいって」
ポンと肩を叩かれ、あたしはそこで気づいた。
どうやらずっと呼ばれていたようだ。
今日はどうもだめだ。
他人の言葉が全くあたしの中に入ってこない。
夏目涼はずっとボーっとしていたあたしにイラついたのだろう。
「少し休憩入れるかっつってんだ」
少し厳しい口調でそう言ってはあたしを見た。
あたしはその瞳を見つめ、思わず息を呑んだ。