神様がくれた夏
ダメだなと思う。
どうして彼の瞳が輝いて見えてしまうのだろう。
しっかり勉強してそこそこ成績も取っている。
友達もいるし彼氏もいる。
比べるつもりはないけれど、一般的に見たら常にふらふらして何を考えているのか分からない夏目涼よりあたしの方が充実していると言えるだろう。
けれど違う。
彼の瞳はあたしより輝いている気がしてならない。
「うん、少し休憩しようかな」
随分黙々とやっていたようだ。
1人、心の中で悶々と考えていたもんだから気づかなかった。
「飲み物でも買いに行くか?」
「あ、行くっ」
今日はちゃんとお金を持って来たのだ。