神様がくれた夏





なんて、そんなことを考えていたら自動販売機の前に着いた。



「何がいい?」



「…本気か?」



言葉が少なくて一瞬迷ったが、奢ることだろうと理解したあたしは首を縦に振った。



「はぁ…」



何なんだ、そのため息は。


むっとしたあたしは答えてくれないことを承知で彼に問う。




「そのため息は何よ…」




無口な彼はどうせ答えてくれないだろう。


そんなことは百も承知で言ってみただけだ。



答えてくれないとばかり思っていたもんだから驚いた。




「…別に」



「別にって顔していないんだけど?」



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