神様がくれた夏




クラスメートが口々に発する言葉の数々は、あたしと同じだった。


驚きとか、傘を持ち合わせていないとか、その他もろもろ。



突然の雨にざわめく教室。


そんな騒がしくなっている教室内を鎮めようと先生が一喝した。




「どうせすぐ止むだろう。 集中!」



その声にクラスメートは再び黒板へと視線を向ける。


出来上がったのは今さっきまでの教室内の雰囲気。



クラスメートみんなは実際、雨が降ろうがどうしようが特に興味はないのだ。


湿度が増すとか濡れるとがちょっぴり問題なだけ。




それだけ。


きっと雨が降って、何となく心に安心感が生まれたのはあたしだけ。


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