神様がくれた夏




6時間目終わるまでには止んでくれないかなぁ、なんて呟くほのかに、あたしは無理じゃないかと告げる。



だって明るい空がどこにも見えない。


空一面灰色一色なのからして、まだ降り続けるだろう。



ちょっぴり憂鬱。


けれど雨は嫌いじゃない。



諦めて濡れて帰ろうとかそんな話をしていると、本日最終授業開始のチャイムが鳴り響いた。




「あたし授業中ずっと祈ってるっ」



なんてバカな言葉を残して、ほのかは自分の席へと戻っていった。



あたしは空を見つめ思う。



今日は濡れて帰ろうか?



何となくそんな気分だ。


たまにはいいだろう。



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