神様がくれた夏
「大丈夫なの…?」
「うん、平気」
「でも…」
「いざとなったら先輩を呼ぶよ!」
笑顔でそう言う、あたしは最低だ。
先輩を呼ぶつもりなんかこれっぽっちもないくせに、こんな時だけ利用してる。
先輩に助けを求めることなんてできないくせに。
「なるほど、先輩と合い合い傘でもするのね?」
ニヤニヤしながらからかってきたことをいいことに、あたしはいつもみたく「そんなんじゃないよ」と言っておいた。