神様がくれた夏
止む気配を見せない雨相手にどうしようもない。
あたしが折れるしかなかった。
「…帰ろ…」
誰もいなくなった教室は、電気が付いていても何だか少し恐ろしく感じる。
雨音の原因かなにか。
「………」
窓に当たる雨音。
吹き荒れる風の音。
それに反してなんの音もしない教室内。
教室に誰もいなくなったと改めて思うと怖くなった。
早く帰ろう。
あたしは鞄を手に取ると、教室の電気を消しては急ぎ足で教室から出た。