神様がくれた夏



こうして2人っきりで会うのは久しぶりのような気がする。



だからなのかもしれない。



変に緊張してしまう。


どうしようもなく。



無駄にじんわりと汗ばむ手のひらが緊張を証明している。



背中の痛みのせいか、もしくは恐怖のせいか、体の震えが止まらない。


どうしたらいいのか分からない。



初めて感じたあまりの痛さに、あたしは座り込んだままでいるしかなかった。


力を入れるだけで節々が痛む。



すると先輩は小さく口を開けた。




「…お前はあいつが好きなのか?」



「…え…?」



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