神様がくれた夏



分からない。


分からないことだらけでどうしたらいいのか分からないのだ。



(どうしてこんなことが起こっている…?)




現在の状況を全く理解できないあたしは、ただ先輩にされるがまま。


恐怖のあまり、身動きすら満足にできない状態だ。



あたしの表情は相当怯えているんだろう。


そんな恐怖に飲み込まれているあたしの表情を見て、先輩は酷く愉しそうに笑っては言った。





「開放されたとか思ってんなよ?」





クスリと。


笑ったかと思うと、先輩は力任せにあたしの両腕を片手で固定した。



< 249 / 468 >

この作品をシェア

pagetop