神様がくれた夏
分からない。
分からないことだらけでどうしたらいいのか分からないのだ。
(どうしてこんなことが起こっている…?)
現在の状況を全く理解できないあたしは、ただ先輩にされるがまま。
恐怖のあまり、身動きすら満足にできない状態だ。
あたしの表情は相当怯えているんだろう。
そんな恐怖に飲み込まれているあたしの表情を見て、先輩は酷く愉しそうに笑っては言った。
「開放されたとか思ってんなよ?」
クスリと。
笑ったかと思うと、先輩は力任せにあたしの両腕を片手で固定した。