神様がくれた夏
ぐったりとしたままで、起き上がる気力すら沸いて来ない。
何が起こっていたんだろう、なんて、まるで他人事のように頭の隅で考えた。
「…っうぇ」
ぐっと唐突に込み上げてきた吐き気。
何度も何度も空嘔吐を繰り返した。
出てくるものは何も無い。
気持ち悪さの塊だけがあたしの胸の辺りでつっかかっている。
「………っ、」
今何時なんだろう、なんてそんなことを考えた。
あたしの脳内は極力今さっきまで起こっていた行為を思い出さないようにしているのかもしれない。
これは防衛本能に似た何かなのかもしれない。