神様がくれた夏



そんなことばかりを考えていたら、どうしようもなく自分自身を痛めつけたくなった。


それはだめだと振り切って、あたしはダルイ体に鞭を打っては起き上がった。




「…っしょ」



どうしてこんなにもダルイんだろう。



初めての経験をしたあたしは、その後のことなど知る由も無いのだ。




いつまでもここにいれない―――いや、いたくないと思ったあたしは、酷く調子が悪い体に鞭を打って力を込めた。



マイナスに考えてはダメ。




大丈夫。


あたしはあたしでいられてる。




起き上がって視線を動かせば、ドアの脇に転がっている鞄が見えた。



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